性癖は、現在では性的な好みを指して使われることが多い
性癖は本来、性的なことに限らず、その人に繰り返し現れる性質や傾向を表す言葉です。一方、現在の日常会話やインターネットでは、性的な好み、強くひかれる要素、興味のある場面などをまとめて「性癖」と呼ぶことが多くなっています。
使う人によって指す範囲が違うため、「同じ性癖」という言葉だけで相手との希望がすべて一致するとは限りません。具体的な話へ進むときは、何に関心があるのか、どこまでなら話せるのかを一つずつ確かめます。
フェチ・性的嗜好・性的指向とは重なる部分と違う部分がある
フェチは日常的には、特定の身体の部位、服装、素材、しぐさ、状況などに強くひかれることを表す言葉として使われます。性的嗜好は、どのような刺激や場面を好むかを表すときに使われます。どちらも性癖と重なる部分がありますが、会話では人によって意味が異なります。
性的指向は一般に、どのような相手に恋愛的・性的なひかれ方をするかに関わる概念です。特定の場面や要素への好みとは同じではありません。言葉だけで相手や自分を分類せず、本人がどの意味で使っているかを確認することが大切です。
『普通かどうか』より、法令・同意・安全で考える
好みが人と違うことだけで、自分や相手を異常だと決めつける必要はありません。ただし、好みを誰かと話したり行動に移したりするときは、法令を守り、関わる人全員の自由な同意と安全を確かめる必要があります。
違法なこと、同意のないこと、誰かを傷つけることは、好みという言葉で正当化できません。相手が迷っている、返事がない、断っている場合は進めず、同意は話題や行動ごとに確認します。
自分の好みは、四つの質問で整理できる
名前をつけることより、どんなときに安心し、何に関心があり、何は望まないのかを知るほうが役立ちます。答えはすぐに決めなくてよく、経験や気持ちによって変わることもあります。
- どんな言葉・雰囲気・場面に関心があるか
- 話を聞くだけならよいことと、したくないことは何か
- 安心するために必要な確認や境界線は何か
- 途中で気持ちが変わったとき、どう止めたいか
共有するときは、理解と同意を分けて話す
誰かに話したいときは、まず「少し個人的な好みについて話しても大丈夫ですか」と聞きます。「私はこのテーマに関心がある」「まずは言葉で話すところまでにしたい」と自分を主語にすると、相手に同じ好みや行動を求めずに伝えられます。
相手が理解しても、実際の行動に同意したことにはなりません。好みが合わない場合も説得せず、話せる範囲が重ならなければ会話を終えて構いません。匿名の場では、市区町村、駅名、勤務先、連絡先など本人を特定できる情報を公開しないでください。