最初の返事は『ありがとう』と『考える時間がほしい』でよい
相手が個人的な好みを打ち明けたとき、驚きや戸惑いがあっても、その場ですぐ結論を出す必要はありません。「話してくれてありがとう。すぐには答えられないので、少し考える時間がほしい」と伝えれば、相手の信頼と自分の気持ちの両方を大切にできます。
詳しい内容を聞く準備ができていない場合は、「今日はここまでにしたい」と区切って構いません。話を聞き始めたことは、続きを聞くことや、何かを受け入れることへの同意ではありません。
理解すること・興味を持つこと・同意することを分ける
相手の好みを理解することと、自分も同じ好みを持つこと、実際の行動に同意することは別です。「そう感じることは分かった」と受け止めても、「自分もしたい」と答える必要はありません。
好みの一部に関心があっても、すべてに同意したことにはなりません。話題を聞くこと、詳しく話すこと、何かを試すことは、それぞれ別に確認します。以前の同意や別の行為への同意を、今回の同意に置き換えないことが大切です。
『興味がある・まだ分からない・したくない』に分けて整理する
返事を考えるときは、すべてを受け入れるか断るかの二択にせず、今の気持ちを三つに分けます。気持ちはあとから変わってもよく、保留は曖昧な同意ではありません。
- 興味があり、公開してよい範囲で話を聞けること
- まだ分からず、考える時間や追加の説明が必要なこと
- 自分の境界線として、話したくない・したくないこと
- 途中で気持ちが変わったら止められること
相手自身を否定せず、自分の境界線を伝える
断るときは、「それはおかしい」と相手を評価せず、「私はその話題を詳しく聞くのは難しい」「私はその行為には同意しない」と自分を主語にします。断る理由を詳しく説明したり、相手を納得させたりする義務はありません。
返事の例は、「あなた自身を否定したいわけではないけれど、私はそれをすることには同意できない」です。受け入れられる範囲があるなら、「この話題なら聞ける」「言葉で話すところまでなら大丈夫」のように具体的にします。
説得や圧力が続くときは会話を止める
断ったあとも繰り返し頼む、罪悪感を与える、関係を失うと脅す、交換条件を出す行為は、自由な同意を妨げます。沈黙、抵抗がないこと、飲酒や睡眠で判断しにくい状態も同意ではありません。安心して断れないと感じたら、その場で会話を終えてください。
打ち明けられた内容は、本人が分かる形で無断公開しないことも大切です。ただし、強要や違法性、身の危険が心配な場合は一人で抱え込まず、個人を特定できる情報を必要以上に広げない形で公的な相談窓口へ相談してください。差し迫った危険がある場合は110番、性暴力に関する相談は全国共通短縮番号「#8891」を利用できます。